水痘(みずぼうそう)ワクチンの説明
「水痘」はどんな病気?
水痘は「みずぼうそう」ともいわれ、水痘・帯状疱疹ウイルスによってひき起こされる感染症で、5歳までに約80%の子どもが罹るといわれる感染力の強い病気です。
咳やくしゃみによる飛沫感染・空気感染と、水疱の中のウイルスに触れる接触感染でうつるので、保育園などでしばしば集団感染がみられます。主な症状は発熱と全身の発疹で、通常経過であれば一週間程度で治ります。
水痘は、子どもたちのごくありふれた病気で、健康な子どもの場合は一般的に軽症で済みますが、脳炎や肺炎、皮膚の重い細菌感染症など多くの合併症もあります。
また、妊娠初期の妊婦がかかると胎児に先天性水痘症候群、分娩の直前・直後では新生児に重症の水痘を発症(先天性水痘)するおそれがあります。
合併症を発症すると重症化しやすいので、ワクチン接種を行うことが重要です。
予防接種の効果
水痘ワクチンは、水痘・帯状疱疹ウイルスを弱毒化して作ったワクチンです。他の生ワクチンに比べて少し弱いので、接種を受けた者のうち約20%はその後に水痘(水ぼうそう)にかかることがあります(発症予防率80%)が、発症しても軽くすむ場合が多く、発疹数が少ない、水泡ができにくい、痒みが少ない、発熱しない、短期間で治るなどの効果が報告されています。
水痘患者と接触したときは、3日以内にワクチン接種すれば発症を予防できるとされ、院内感染の防止にも使用されています。
保育園等に入園している子どもの場合、自然感染では登園可能になるまで1週間程度必要であり、保護者も一緒に仕事を休まなければならないので、ワクチンにより予防しておくことは本人にとっても保護者にとってもメリットがあるといえます。
1歳になったらなるべく早く受けましょう。
水痘ワクチンの副反応
もともと水痘にかかると重症化しやすい免疫不全患者のために開発されたワクチンのため、健康な小児や成人ではほとんど副作用は認められませんが、時に発熱、発疹がみられ、まれに局所の発赤、腫脹、硬結がみられます。